2025/09/01

(NO.1755) 初秋の夕暮れ  山田雄正

 

駅裏の居酒屋は早々と夕暮れから隠居族で賑わっている。 

 

「今年の夏もそろそろ終わりだな」 

「おう、俺たちもそろそろだぞ」

「それでもやりたい事はまだあるぞ」

 

隠居暮らしであっても、人生の本番はこれからだと思っている。

そう思ってないと毎日がつまらなくなる。

 

「やりたい事って、何をやりたいんだ」

「そうだな・・・ もう一本ビールでも飲むとするか」

「けっ、何だそれは」

 

暦は九月へと移り替わったが、

まだまだ暑い日が続きそうな、そんな初秋の夕暮れである。

 

 

01/長月/2025       山田 雄正