駅裏の居酒屋は早々と夕暮れから隠居族で賑わっている。
「今年の夏もそろそろ終わりだな」
「おう、俺たちもそろそろだぞ」
「それでもやりたい事はまだあるぞ」
隠居暮らしであっても、人生の本番はこれからだと思っている。
そう思ってないと毎日がつまらなくなる。
「やりたい事って、何をやりたいんだ」
「そうだな・・・ もう一本ビールでも飲むとするか」
「けっ、何だそれは」
暦は九月へと移り替わったが、
まだまだ暑い日が続きそうな、そんな初秋の夕暮れである。
01/長月/2025 山田 雄正