紅葉の美しい季節になったら訳ありの女を連れて、
北陸の小さな温泉宿にでも連泊するのが何よりだろう。
秋の夕日はつるべ落とし。
ストンと日が落ちて夜になれば、
酒を呑む時間が早くなり長くなる。
地魚の刺身や湯豆腐などの酒肴で一杯やれば、
ゴクッと燗酒が喉を鳴らす。
ジワッと胃袋が熱くなる。
「どうだ、一杯やろうか」
女にも酌をする。
秋の夜長は日本酒に限る。
豆腐のような白い肌がほんのりと赤みを帯びる。
「おっ、紅葉になったな」
いろいろあったが、いろいろと忘れていく。
運が悪ければ努力などまったく意味がない。
ゆっくりと起きた朝は朝湯で温まって、
そしてまた朝酒で迎えにいったりする。
詐欺、円安、サイバー攻撃、テロ、戦争・・
世の中がどうであれ、
現世の今を楽しんで生きている奴が何より強い。
26/神無月/2026 山田 雄正