2026/06/15

(NO.1843) 昭和あれこれ  山田雄正  

昭和の喫茶店のメニューにはナポリタン、オムライス、 

生姜焼き定食などがあって、 

店の隅にはゴムの木などの観葉植物が置いてあった。

 

昭和の家の飾り棚には熊が鮭を咥えている木彫りが置かれ、

『仲よき事は美しき哉』と書かれた、

武者小路實篤の複製の色紙が壁に飾られていた。

 

昭和の時代の労働組合は今より強く活発で、

ダンスパーティーやソフトボール大会などを積極的に行い、

春闘のストライキは年中行事のように決行していた。

 

慰安旅行は数少ない娯楽のひとつだった。

宴会、麻雀、お座敷ストリップ・・

酔っぱらって大浴場の洗い場のタイルの上で、

裸のまま朝まで寝込んでいた猛者もいた。

 

仕事は土曜日も平日通りの勤務で毎日が残業だった。

日曜日は疲れ切っていつも夕方まで熟睡していた。

 

「頑張らなくっちゃ」

 

テレビから励ますようなCMが流れていたが、

サラリーマンは誰もがヘトヘトに疲れていた。

 

昭和の高度経済成長は、

高く連なる“疲労の山脈”のようなものだった。

 

 

15/水無月/2026      山田 雄正