2020/03/24

(NO.1208) チキンレース! 小濱綱之

昨日、世界的な新型コロナウィルスの影響により大相撲始まって以来の無観客場所による千秋楽をむかえ、横綱同士相星による取組みの結果、横綱白鵬が13勝2敗で横綱鶴竜を負かし44回目の賜杯を手にした。

横綱白鵬の父は1968年メキシコオリンピックでモンゴルのレスリング選手として出場し銀メダルを獲得している。

そのような関係で横綱白鵬は2020東京オリンピックの開会式で横綱土俵入りを披露することが今年の目標であると聞いている。

2020東京オリンピックが幕を閉じたあと引退するという噂も流れており、2020東京オリンピックが2021年または2022年に延期されたら、本人の相撲人生に少なからず影響をおよぼすのではないか、横綱白鵬も35歳になり優勝も今回の春場所が最後かもしれない、本来なら賜杯を手に引退宣言が一番の引き際であろうが、今年7月の東京オリンピックでの土俵入りを天国にいる偉大なる父に少しでも近づくために同じオリンピックという大舞台でメダル獲得ではなく日本古来の伝統相撲横綱土俵入りを開会式での晴れ舞台に披露できることが亡き父と肩を並べる唯一の機会ではないか。

残念ながら新型コロナウィルスにより2020オリンピック・パラリンピックも延期になる可能性が強く、思えば、私の今月14日ネパール出発がタイ国際航空の休便によりツアー中止(前回のコラムに投稿)になった経緯を友人にメールで知らせたら「まるでチキンレースみたいだね!」と返信が届いた。

私はチキンレースという言葉は聞いたことがあるが、どのような意味だったのか思い出せず調べてみたら、チキンレースとは度胸試し・根比べあるいは臆病者を決めるレース、チキンレースという言葉が広まったのは1955年アメリカ映画「理由なき反抗」のシーンである。お互い車で断崖絶壁の崖っぷちまで猛スピードで突っ走りどちらか先に車から飛び降りたりブレーキを踏んだりしたら負けというレースである。この俳優名を聞いたことがある高齢者は多いはずである。当時の人気スターであり24歳という若さで事故死したジェームス・ディーンが主役を務めた映画である。

話題を戻すと友人がいう私のネパールツアーでのチキンレースは根比べにあたり、ツアー参加者が先にキャンセルするか主催者である旅行社がなんらかの理由で中止を余儀なくするか、出発日ギリギリまでお互い我慢する状況だった。

私のチキンレースは個人的なことなので特に気に留めることはないが、今回の2020東京オリンピック・パラリンピックについては予定どおり完全な形で開催・延期・中止、この重要な選択肢の決定に伴い決定権を持つIOCと開催国である日本が各国五輪参加選手の新型コロナウィルス影響を踏まえ、まさしくチキンレースさながらの攻防を繰り広げている。

日本にとって呪われた40年サイクルの五輪とのイヤな言葉も聞こえてくるが、無事ベストな東京五輪が迎えられる日が来ることを期待してます。

 

 

2020年3月23日      小濱 綱之