以前から「タウリンは浸透圧調節薬」だと思っていた。改めてタウリン処方薬の添付文書(2023年改訂版)を見てみたら・・・「肝・循環機能改善剤、ミトコンドリア脳筋症MELASの脳卒中様発作抑制剤」と書いてあるではないか! 筆者が昔見た添付文書は「肝機能の改善」が主だったのに、今は「ミトコンドリア関連の難病」が追加されている!
そこで、製造販売会社(タウリンを多く含む栄養ドリンク剤の老舗)のホームページを見てみたら、MELAS脳卒中用発作に対応する研究は1編の学術論文に書いてあって、それとは別に「厚労省科学研究費の報告書」があった。面白いことに、その「結論」にこう書いてある。
●結論:ミトコンドリア病に対して保険適応を獲得した薬剤は世界に皆無である。既存薬タウリンによる治療が確立できれば、厚生労働行政の課題である希少難病対策の一翼を担える。日本で遺伝子変異が同定され 「tRNA転写後修飾異常病」という疾患概念が提唱されたMELASの独創的な治療薬として、我が国の医薬品開発力の卓越性を世界にアピールしたい。
こんな風に書きたかった気持ちは分かるし、それを元に医薬品として承認されたのだから、可及的速やかに世界に強烈なインパクトを届ける論文を書いてもらいたい。そうしないと世界にアピールできないとも思う。
念のためですが、筆者はかつて「リポD」の大ファンで、有効成分はタウリンで、その根拠はオスモライト(浸透圧調節薬)だろうと思っていました。今もそうですが、それを証明したら「世界にアピール」できるはずです。何故かと言えば、植物にも動物にも土と水と空気は絶対に必要で、人体にとってのオスモライトは正にそんなような無くてはならない存在だと思えるからです。
2025年7月1日 岡 希太郎