5日目の朝、雨模様の天気にガックリ、朝食後9時ホテル出発、92の滝と大小16の湖が織りなすブリトヴィツェ湖群国立公園へ前には韓国人のグループが坂を下りながらワイワイガヤガヤ、おそらく天気が良ければ眼下にはパンフレット同様のすばらしい滝や湖の景色が見えるはずなのだが「この霧で何も見えないじゃないの!」とだれかれ構わず文句を言ってるんだろう。
我々の添乗員が、
「みなさん今日はあいにくのお天気で良く見えませんが、この場所から撮った写真がスマホにありますから見てください!」
「○○君、せっかくやけど、そんなもん見とうないわ、惨めになるだけやないか!」
と反論され、○○君はよかれと思ってしようとしたことが裏目に出てしょんぼりしていたが、若さと仕事熱心さで気持ちを切り替え
「さあー、目の前の滝や湖はもうじきです」
と元気な声で我々を先導した。
目の前に現れた滝や湖を見るにつき、晴れていたら感動的な光景に違いないと自然が創り出した素晴らしさと不思議さを目の当たりにした思いだった。
午前のブリトヴィツェ湖群国立公園観光を終え、バスで昼食のためのレストランへ行ったら、隣りの広い柵のなかにヒグマが二頭ウロウロ暇そう(暇なんだ!)に歩き回っていた。
昼食後、スプリットへバスで約4時間、夜はホテル内のビュッフェレストランで好きな物を満足するまで飲みながら食べ皆さんとの話題はなぜか血液型で盛り上がった。
6日目、世界遺産“古都トロギール”観光へ、古都トロギールは紀元前3世紀にできたギリシャ人植民都市が始まりであり、11世紀には司教区ができ自治権を持つ都市として繁栄した。島ではあるが陸地と橋で繋がっており周囲は城壁で囲まれている。中世そのままの旧都市が世界遺産に登録された。
城壁内で昼食後、スプリットに戻り世界遺産のディオクレティアヌス宮殿へ。宮殿を観光していたらアメリカはハリウッドから来た映画の撮影隊が何やら大々的にロケ中だった。
自由行動時間帯に私と妻はコーヒーショップに入りビールとコーヒーをオーダーし店内のトイレを借りようとしたら、レシートにパスワードナンバーがありトイレのドアの横にあるテンキーへ入力するとドアを開けることができ使用するシステムだった。(これは後日訪れるドブロブニクの城壁内コーヒーショップも同様だった)
夕食中、添乗員へ明日および今後の天候を確認したら
「雨のち曇りまたは晴れです」
「はあー、意味がよく理解できないが、とにかくあまり良くないということね!」
「こちらの天候は変わりやすいので、あくまでも参考です」
「ところでや、○○君、雨を呼んでる女性添乗員とはまだ連絡とっとんのか?」
(プリトヴィツェの山小屋風ホテルで○○君が以前イタリアでの研修会で一緒だった女性添乗員と偶然遭い、我々とは逆コースのツアーで約20人添乗し行くところ行くところ雨に遭っているようである。それを聞いていたので京都の夫婦が懸念し忠告した)
「いいえ、こちらからは連絡してませんが、向こうからメールが入ってくるんです」
「せっかくの旅行なんやから、その雨女に連絡とったらあきませんえ!」
そのやりとりを聞いてて笑いが出てきたが、笑ってる場合じゃないとお叱りを受けそうだった。
二度と訪れる機会がない遠い国ではお天気の良し悪しが重要なひとつである。
2019年6月10日 小濱 綱之