七面倒臭い説明は抜きにして、米糠(ぬか)を食べなくなった日本人高齢者が急速に虚弱化しています。何故でしょうか?
米糠に入っている、そして米糠だけに他よりずっと多く入っている栄養素が「ビタミンBs」だからに違いありません。B1、B2、B3(ナイアシン)、B6、葉酸、パントテン酸、ないのはB12くらいです。なかでも特記すべきはナイアシンのニコチン酸。
B3以外のビタミンは、それ自体が活性体で、食べればすぐに役立ちます。しかしB3は違います。B3のニコチン酸もニコチナミドも、どちらもナイアシンと呼ばれていて、食べて体に入って、NADという補酵素になって、それからミトコンドリアに入り込んで、エネルギーを作る役目を果たします。
若い人なら、ニコチン酸でもニコチナミドでも、どちらもNADに変わります。米糠を食べなくても、豚肉牛肉を食べていれば良いのです。しかし、高齢者は違うのです。高齢者は、ニコチン酸だけがNADになるB3なのです。どうしてかって?そんな難しい話はここではしません。
ニコチン酸しかNADにならない高齢者が、米糠を食べなくなったらどうなるか・・・NADが欠乏して、VB3欠乏症になって、物忘れはする、早く歩けない、寝たきりになる、元気が出ない・・・のです。エネルギーが不足して、ガソリンが切れた車のように、バッテリーが切れかかったスマホのように、頭にカスミが掛かって、もうどうにもならないのです。
だから年寄りは、米糠の代わりにコーヒーを飲むべきです。深く煎った琥珀色のコーヒーこそ、ニコチン酸の宝庫です。何か他にないのかと言われても、ヒラタケ100グラムを毎日食べますか?サプリはないのか?と聞かれても、この日本でニコチン酸は売られていません。サプリも薬もないのです。どうしてないのか?その疑問に答えるには、「政治家に聞いてくれ」と言うしかない、この日本の惨めな現実ではあるのです。
さ、コーヒー飲もっと。
2021年2月4日 岡 希太郎