日本中が沸いたラグビーワールドカップは南アフリカの驚異的な力強さで幕を閉じ、天皇・皇后両陛下の即位を祝う国民祭典ならびに祝賀パレードも日本中の国民が喜びに沸いた日々が続いた。
さて、先月11日、私は左ひざ半月板外側損傷による縫合手術を受け無事終わった。
通院先の城東スポーツ整形クリニックから約600m離れている同じ経営の城東整形外科へ手術前夜入院し翌日に備えた。
手術日の朝は食事抜きで10時ごろから点滴が始まり、10時半に予定通り手術室へ入った。
私にとって今回のような全身麻酔による手術は初めての経験であり、手術がうまくゆくのか不安と心配が頭をよぎったが、手術室に入った途端、開き直りまな板の鯉の心境(切るなり焼くなりどうでもしやがれー!)で臨んだ。
点滴に他の薬剤が投与され酸素マスクで口・鼻が塞がれ、麻酔医が「はい、○○7ml入りまーす!」「はい、○○7ml入りましたー!」麻酔医が私の耳元で「はい、もうじき眠くなりますよー!」私は意識があるうちにと思い(羊が一匹、羊が???)。
気が付いたら病室でストレッチャーからベッドに「せーの、よいしょ!」と移されている声で目が覚めた。
執刀医に「気が付きましたかー? 小濱さーん、聞こえますかー?」私は「はい、聞こえます!」「痛みはありますかー?」(麻酔から覚めて痛いの当然だべと言いたかったが)私は「ええー、痛いのと寒いです」(術後は一般的に低体温症になり寒気が生じる。
私も自分自身の身体がブルブルふるえているのがハッキリと分かった。
ましてや縫合した場所からバイ菌が発症しないよう傷口を30cm四方のアイスノンで冷やしている状況だった)執刀医が看護師に「電気毛布掛けてやって!」と言う声が聞こえ一安心した。
一時間強で終わる手術が二時間掛かり、予想以上に半月板の亀裂が広がっていたようだった。(レントゲンとMRIで想定できるだろうに)
また、股関節に痛みがあり、なぜだろうと思っていたら、執刀医が「小濱さん、股関節が硬いのも半月板損傷の原因のひとつですよ!」「先生、なんで股関節硬いの分かったんですか」「手術時に左ひざだけの向きを変えるのに小濱さんのひざは右ひざも一緒についてきてジャマだから無理やり押し曲げたりしたから!」(そのせいで私の股関節が痛いんだと納得)
二人部屋の病室に夕方、隣のベッドに中学一年生の男子が左ひじ骨折で手術し運ばれて来た。
仲良く同じ病室で痛みに耐え、翌日いろいろ話を聞いたら、自転車で転び不幸にも骨折という怪我に到った。
中学一年生にしては一般的な男性の大人と同じ体格なので部活を尋ねたら、陸上部に所属し主に長距離を練習していると聞き「将来は箱根駅伝の選手だね! 君の名前覚えておくから正月テレビに向かって応援するよ!」「はい、がんばります!」と元気な返事がかえってきた。
その日の午後、彼は両親と看護師に「痛いか」「もっと入院してるか」・・・、最後に本人が遠慮気味に「痛いけど、家に帰りたい!」の一言で退院することが決まった。
幸か不幸か私は15日まで病室でひとり住まいになり、当日にJR秋田駅前にある城東スポーツ整形クリニックへ転院し退院した31日までお世話になった。
城東スポーツ整形クリニックは昨年5月オープンしたばかりなので、建物内施設や食事などの生活環境がホテル並みで古い城東整形外科とは比べものにならない過ごし易さだったが、入院中、松葉づえを離せない生活にはウンザリし、以前の五体満足のありがたさをシミジミ思い知らされた気がした。
2019年11月11日 小濱 綱之