French Mission
フランス宣教師使節団がレユニオン島からタンザニアのモロゴロに持ち込んで栽培したモカとブルボンの自然交配種が1897年にナイロビ近郊のセント・オースチン教区に持ち込まれたもの。現地ではこれをフレンチ・ミッションと呼ぶ。1940年代まではケニアでは一般的な品種であった。商業規模で栽培されているのはチャニアリバー農園のみ。
ケニアにコーヒーが持ちもまれる流れをざっと見ると、英国東インド会社がイエメンのアデンで購入した種子を1708年、ブルボン島(現レユニオン島)で活動していたフランス宣教師使節団に販売。1863年に現在のタンザニアに初めて持ち込まれる。1877年、アントイネ・ホーナー神父がバガモヨにブルボンを植え、モロゴロ、ムホンダへ広がる。1880年、エチエンヌ・バウー神父がアデンで購入した種子をバガモヨに植え、モロゴロとムホンダへ広げる。アデンから持ち込まれたコーヒーはモカと呼ばれ、ブロンズ色の若葉を有し、ブルボン島から持ち込んだコーヒーはブルボンと呼ばれ、深緑色の若葉を有していた。こうしてタンザニアで育まれた2種類のコーヒーは、1897年、セント・オースチン教区使節団に同行したソラヌス・ジッパーによって、モロゴロの種が持ち込まれた。そのコーヒーはほとんどがモカのはずだったが、そのコーヒーはキャラクターはブルボンでも、若葉はブロンズ色を有していたという。