BSのチャンネルで映画『幕末太陽傳』(昭和32年製作)を放送していた。
何度も観た映画だが、何度観ても面白い。
落語の居残り佐平次と品川心中などを巧みに組み入れ、
幕末の品川宿の遊郭での出来事をコミカルに描き、
軽妙で抜け目のない佐平次をフランキー堺が見事に演じている。
「金は一銭もねぇってんだから、面白れぇじゃねぇか」
全編を江戸弁で通した台詞は歯切れが良くて痛快で洒落ている。
若い時の西田敏行や堺正章なら佐平次を演じただろう。
だが、昨今の役者では佐平次役は見当たらない。
南田洋子と左幸子の取っ組み合いの喧嘩も壮絶である。
小池栄子ならその喧嘩もできるに違いない。
この映画は落語を知らないと面白味は半減する。
目黒のさんま、饅頭怖い、時蕎麦、寿限無・・・
最近は有名な落語噺でも知らない人が多いようだ。
「野暮な世の中てぇのも、これもまた面白れぇじゃねぇか」
どんな時代でも、図太く笑って生きている奴が何より強い。
22/水無月/2026 山田 雄正