2026/06/22

(NO.1845) 居残り佐平治を演じる    山田雄正

BSのチャンネルで映画『幕末太陽傳』(昭和32年製作)を放送していた。 

 

何度も観た映画だが、何度観ても面白い。 

 

落語の居残り佐平次と品川心中などを巧みに組み入れ、

幕末の品川宿の遊郭での出来事をコミカルに描き、

軽妙で抜け目のない佐平次をフランキー堺が見事に演じている。

 

「金は一銭もねぇってんだから、面白れぇじゃねぇか」

 

全編を江戸弁で通した台詞は歯切れが良くて痛快で洒落ている。

 

若い時の西田敏行や堺正章なら佐平次を演じただろう。

だが、昨今の役者では佐平次役は見当たらない。

 

南田洋子と左幸子の取っ組み合いの喧嘩も壮絶である。

小池栄子ならその喧嘩もできるに違いない。

 

この映画は落語を知らないと面白味は半減する。

 

目黒のさんま、饅頭怖い、時蕎麦、寿限無・・・

最近は有名な落語噺でも知らない人が多いようだ。

 

「野暮な世の中てぇのも、これもまた面白れぇじゃねぇか」

 

どんな時代でも、図太く笑って生きている奴が何より強い。

 

 

22/水無月/2026       山田 雄正