ヘミングウェイ原作の『老人と海』は、
巨大なカジキマグロと闘う老いた漁師を描いた小説である。
映画ではスペンサートレイシーやアンソニークイーンが
その漁師役を演じている。
日本の俳優なら三國連太郎か三船敏郎が適役だろう。
だが、昨今の俳優に適役は見当たらない。
「役所広司はどうだ」
「まだ若いな」
「中井貴一や佐藤浩市も同じだな」
「若過ぎて使えない」
「ビートたけしならどうだ」
「おぅ、それは面白い変化球だな」
若い時にどん底や修羅場を経験し、
苦労に苦労を重ねないとエネルギッシュで
皺の深い険しい顔の老人は形成されない。
穏やかに生きて来た老人に魅力を感じないのは当然だろう。
北大路欣也、高橋英樹、小林旭、加山雄三、伊東四朗・・
漁師役として浮かんだのは80代の年齢のこの五名だが、
果たしてどうだろうか。
08/水無月/2026 山田 雄正