新幹線に乗るときに、ホームに、カップに熱いコーヒーをいれてくれる自動販売機がちんまりと立っている。かなり魅惑的である。
しかし、列車の到着間際に注文すると、新幹線に乗り遅れる可能性が高まるのだ。とくに、私のような粗忽者は、乗り遅れる可能性が伴う。コーヒーを選ぶか、列車を選ぶか。
このコーヒーが出てくるまで約90秒かかる。自販機にちゃんと書いてあるそうなのだが、粗忽者は気がつかないのだ、、、。
ブレンドは、ひかりブレンド、こだまブレンド、のぞみブレンドなど、いくつかの魅力的な種類がある。しかも、どれにしようか迷ったり、決済方法がわからず、いつのまにか、どんどん時間はすぎていく。今回は、発注ボタンを押してから5秒後に新幹線がやってきた。
新幹線のドアが開く。自動販売機を見ると、コーヒーができるまで残り時間は40秒、、、。しかも、ここは品川駅。
人々はどんどん新幹線に乗り込んでいく。一方、コーヒーまであと、35秒。このままでは乗るべき新幹線を逃す可能性が大きい。「コーヒーを買っていて、指定席の列車を逃したのですが、なんとか次の列車に乗せてくれませんか?」と頼んで、GW中のJRがなんとかしてくれるとは思えない。
これはコーヒーを諦めて、すぐにでも乗るべきなのであろう。しかしながら、コーヒーを愛する私はコーヒーを待つ。あと30秒、20秒、、、。こんなにヒヤヒヤしたのは、近年なかったと思う。映画館のように、少し遅れることは微塵も許されていないようだ。
並んでいた人々は、とうとうみな乗り込んでしまった。自販機をみると、あと10秒!。10、9、8、7、6、5、、、。この瞬は一生忘れないのであろう。気絶しそうになる私の前に、ようやくコーヒーが出てきた。
幸いに、列車の扉はまだ開いている。カップをさらうようにとり、新幹線に乗り込んだ。乗り込んでから、約10〜15秒後に扉が閉まる。顔はくしゃくしゃ。髪はばさばさである。その後、落ち着くまで、もとに戻るまで、コーヒーの味がコーヒーなんだなと認識できるまで、15-20分はかかったかと思う。
2026年5月8日 デコッパチ