2026/04/06

(NO.1823) むずかしくても知らないと損するNADの話   岡 希太郎

むずかしくても知らないと損するNADの話前回、NADの話はむずかし過ぎると書きました。しかし、難しくても知らないと損するのもNADの話なのです。典型的な例をお話しします。「病気を予防して元気な長寿をもたらす」という夢のようなサプリNMNのことです。メーカーによれば、飲めばNADになって効くというのですが、値段が高い割には効き目が弱いのが特徴です。つまり、消費者は騙されて損をしているのです。 

効き目が弱い理由は次のようなものでした(一部は前回と重複します)。つい最近のNature誌から引用します。NMNを飲むと腸の中である種の腸内菌が餌として食べるそうです。食べた餌は直ぐに消化されて、ニコチナミドというビタミンB3に変わります。するとこれを栄養にして、食べた腸内菌は分裂して数を増やします。一方、使い終わったニコチナミドは、同じ腸内菌が更に分解してナイアシン(ニコチン酸)に変えて腸の中に排泄します。すると、待ってましたとばっかりに、人がナイアシンを吸収するのです。ナイアシンは全身の臓器に行き渡って、そこでNADに変わります。 

このNMNの運命には、値段の割に効きが悪いという2つの理由が隠れています。1つは、ビタミン剤のナイアシンなら男性で115ミリグラムを飲めば十分なのに、NMNはその80倍(女性ならば100倍)を飲まなければ、ビタミンとしての有効量になりません。2つ目は、腸内菌が分解して、それを栄養に数を増やして、菌が排出するナイアシンが有効なビタミン量に達するまでに長時間を要するということです。日数にしてほぼ1ヶ月も罹ってしまうのです。言い換えれば、飲み始めの1か月間は効かないということです。これをビタミン剤のナイアシンとして飲めば僅か数時間でNADができてくるのです。 

さて皆さんはどちらを選びますか?おっと、言い忘れました。前回も書いた通りで、この日本には市販のビタミン剤ナイアシンがないのです。売っているB3はどれも腸内菌の餌としてのニコチナミドなのです。

最後に筆者の愚痴を聞いてください・・・「日本の薬務行政は間違っている!」、「世界にはナイアシンがあるのに、日本ではコーヒー飲まなければならない!.」・・・珈琲万歳‼

 

2026年4月6日  岡 希太郎