人間は年を重ねて行くと、
未来への期待より過去への郷愁の方が強くなる。
春の桜前線は南から北に上がって行くが、
秋の紅葉は北から南へと下がってくる。
自然の摂理も人間も、行き過ぎた分の帳尻を合わせるように、
原点に回帰しようとする動きがあるのかもしれない。
足早に年月だけが過ぎて行くが、
それにしても時より想い出す人の顔は、
男も女も遠い時代の人ばかりである。
25/霜月/2025 山田 雄正