駅裏の居酒屋では焼酎のボトルをキープすることが出来る。
馴染みの酔客はボトルに名前を書いたりしているが、
名前は野暮に思えるので書いたことはない。
自分のボトルには大きな字で“四面楚歌”と書いて置いてある。
現役時代は妥協や協調などすることなく誰とでもぶつかり合い、
敵に囲まれた中を強引に突っ走っていた。
そんな荒々しい日々はあっ気なく終わったが、
それでも時々思い出すとやはり腹が立つ。
敵だらけの当時の状況は、
七面楚歌、八面楚歌だった気がしている。
27/神無月/2025 山田 雄正