ハリウッド映画(夕空の星)では、
70代の女性にこんな質問をする場面がある。
「今までで生きてきた中で、想い出に残っている恋はいつのことですか?」
するとその女性は「それは次の恋だわ」と、平然と答えるのである。
これがアメリカ女性の恋愛の考え方なのだろう。
終わった恋にいつまでも未練を持つよりも、
次に出会う恋に希望を持った方が健全といえる。
それは男性にも同じことが言えるだろう。
ストーカーによる殺人は、
いつまでも諦め切れない男の未練が狂気と化した事件である。
人生にはどうにもならないことが山のようにあって、
それを我慢して乗り越えて生きて行くのが男というものだが、
昨今の男には我慢とか堪え性というものが無くなったようだ。
「俺が居酒屋に通うのは堪え性がないからだな」
「それはアルコール依存症だろう」
酒が恋人になった呑ん兵衛に、恋の話をするのは野暮かもしれない。
20/神無月/2025 山田 雄正