ロバート・レッドフォード氏がお亡くなりになった。「明日に向かって撃て!」の大成功が大きい。「大統領の陰謀」や「スティング」は、一度観ておいて全く損はないと思う。ハードボイルドとしては、「コンドル」があるが、毒と薬の両方がかなり効きすぎた作品。
特に、スティングは、「ジョーズ」で有名なロバート・ショウ(マフィアのボス)を、大掛かりな詐欺で、騙すのであるが、若かりし時の演技もさることながら、映画の中で、誰が味方で誰が敵であるのかがわからない状況において、架空のサロン的な馬券場において、特定の人をだますストーリーはなかなかである。
また、サンダンス映画祭を創設し、タランティーノ監督が世に出るきっかけになったほか、ご自身でも「普通の人々」を監督。アカデミー作品賞を撮るなど、まったくもって非凡な方であった。神は二物、三物を与える。
今回、彼の出演した「追憶」(1973年)(シドニー・ポラック監督)をみ直した。大学で共に学んだ二人が、社会に出てから第二次大戦中に、ニューヨークで再会し、やがて結婚し、別れる。
大学で共に学んだと言っても、ロバート・レッドフォード(ハベル)は、ボート競技や陸上などのスポーツやデートにいそしむ典型的な上流階級のスポーツマンであり、男の私からみても、ハンサムで、映像にいささか没頭してしまう。かたや、女性(バーバラ・ストライサンド)(ケイティ)は政治活動家であり、いつもとんがっている。ふたりは信条、性格、階級などあらゆる点が異なる。彼女はバイトにも忙しく、バイト先で、食べに来たハベルのグループに突っかかったりする。
小説のゼミで二人は一緒であった。ある時、全員が小説を提出するのだが、教授がクラスの中でもっとも良い小説を書き上げた者としてハベルを絶賛する。そう、ハベルは何事も得てしまうタイプなのかもしれません。
卒業間近の時、ケイティはバイト帰りの道を急ぐが、ビールを一人飲んでいるハベルに呼び止められる。ビールを一口飲んで、帰ろうとするケイティをさらに引き止め、僕の膝の上に君の靴を乗せてと言う。
ケイティの靴の紐をひざの上で結ぶ。一生に一度くらいはやってみたいですな。
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この2人が付き合うのであるから、世は全く不思議である。付き合い始めてから、観る側としては常にはらはらする。付き合い始めて、何度も激しい喧嘩をする。これはやや致命的なのではないかというケンカのあと、ケイティはハベルに電話して、どうしても会いたい、とにかく会いたい、眠れないのと懇願する。一生に一度くらいは、言われてみたいですね。
しかし、映画の冒頭における、バーで、海軍の制服を着たハベルが座ったまま眠る姿は美しい、、、。トムクルーズや、キアヌ・リーブスなども美男なのであろうが、美男というもののひとつの定義を数十年固めたシーンであろう。
しかし、映画の冒頭部分は第二次大戦前後である。しかもハベルは海軍の軍人。その最中に、生死以外のテーマや、恋愛が主要命題であったようであるから、当時の米国の経済、生活の余裕度はいろいろと考えさせられてしまう。また、ケイティが美しいのか、そうでないのか?映画のなかでも、ときとして、はっとしてしまうときがある。
https://youtu.be/goeng7hB05M?si=gXKJG2lRzCNls_b7
2025年10月5日 デコッパチ