2020/02/04

(NO.1202) NHKはコーヒー中毒かも   岡 希太郎

コーヒーを毎日飲んでいると止められなくなってしまう。この現象を、主成分のカフェインのせいにして「カフェイン中毒」と呼んでいますが、実はちょっと違います。

世界保健機構(WHO)に、麻薬や嗜好品を止められなくなる中毒の強さを順位づけたデータがあります。それによれば、1位はヘロインとコカイン、3位は覚醒剤、4位はアルコール飲料、5位はニコチン、そして6位にマリワナとカフェインが並んでいます。

今や喫茶店という名のコーヒーハウスはほとんど見られなくなりました。かつて喫茶店と呼んだわけは、タバコとコーヒーの深い関係にありました。タバコを吸うとコーヒーを飲みたくなるし、コーヒーを飲むとタバコを吸いたくなる。喫茶店なら両方とも楽しめますよ・・・という昭和の店は大繁盛したのです。しかし時代は変わりました。

喫煙者が禁煙を強制される時代になりました。周りの人を発癌させるというのですから、逆らうことはできません。では楽に禁煙できるかと言いますと、WHOの中毒データからは、先ずはコーヒーを止めるのが順番というものです。タバコの中毒はマリワナより強いのです。だからなかなか止められません。それでも社会は「嫌われ者から止めるべき」という過酷な順番を選んでいるのです。「好きか嫌いか」という選択基準がより社会的というわけです。

さて、最近のNHKテレビ番組にしばしばコーヒーが登場するようになりました。あさイチ、BSプレミアム・美と若さの新常識、同・ヒューマン、美の壺、他にもあると思います。まるでNHKはコーヒー中毒に罹ったような頻度です。ちょっと前までのNHKはカフェイン中毒(クローズアップ現代)をやり玉に挙げて注意喚起していました。それがほんの数年の間に、カフェインをたっぷり含むコーヒーが王様か王妃様のように扱われています。理由は多分、TV視聴者の大多数が「コーヒー好き」だからなのです。

天下のNHKは好き嫌いで番組を作っています。もし筆者がプロデュサーなら、カフェインとコーヒーの同じ点と違う点を科学的に編集します。しかし、難問が1つ残っています。その難問とは、カフェインよりコーヒーの方がずっと中毒性が強いということですが、WHOと雖も、コーヒーの中毒性について科学的な比較データを持っていません。

 

2020年2月4日   岡 希太郎