2019/12/12

(NO.1194) 常識にとらわれない!  小濱綱之

日本の野党政治家は「桜を見る会」で首相を引きずり降ろそうと躍起だが、森友学園・加計学園問題同様、官僚・政府に軽くあしらわれているように見える。

しかし、国内外の重要課題を抱えていながら、騒ぐだけの野党も野党なら与党も与党である。

人事権を握るトップにノーと言えない、真実を闇に葬るため耐えに耐え何も口出しできない官僚と自民党国会議員、果たしてこれが現在の日本政治の姿なのか。

不満と疑念を持つ国民も少なくないはずであるが、韓国・香港のように声を大にして騒ぐ気力もなく、常識にとらわれない風習が永田町には蔓延しているようだ。

在任最長記録を更新している首相の任期はあと2年、北朝鮮拉致問題・北方四島返還問題・憲法改正など在任中に解決しなければ何のための在任最長記録更新なのか全く意味がない。


さて、先日、会社OB会の忘年会が秋田市内のイヤタカ会館で開催され、私も左足を引き摺りぎみに出席し総勢20名が参加した。

最高齢82歳を筆頭に後期高齢者が15名、我々高齢者と呼ばれる若輩者(?)が5名だった。

年齢とともに覇気が薄れ、お互い懐かしさだけの繋がりのように感じられた。

ある先輩が私の席に来てスマホを掲げ

「小濱さん、おら、いま、スマホの教室さ通ってて、おらのインスタグラム見てけれ!」

と言ってスマホを開きながら

「あれ、ちょっと待でや、昨日まで開けたんだども、開げねー、なんとして開げばええべー? 教室さ通ってるども朝なれば昨日習ったごど忘れてるんだ!」

と自分の責任ではないような言い訳をし、私にスマホを開くよう強制指示、私のスマホとは機種が別なので、いろいろ操作していたら、スマホに表示された注意喚起事項がどうもWi-Fiを利用しないと開けないようにロックされているようだ。

本人は仙台に住んでいる娘に安否確認のため、スマホを与えられ、好き勝手に使っていたら数万円~数十万円の請求が毎月届き、娘がWi-Fi利用できる区域範囲以外は使用禁止のロックをしたようである。

宴会場のWi-Fiを利用できるように設定したら、いとも簡単に本人の作品であるインスタグラムが表れた。

千秋公園で本人が撮った花や木々の写真が所せましと沢山写っており、常識にとらわれない作品に見えた。

80歳の手習いでスマホをいろいろ操作する先輩を目にし、先輩にとっては今現在、スマホが生き甲斐のひとつなのだと実感した。

また、隣りの席に座った81歳の女性と世間話をしていたら、女性が先日行きつけの美容院へ行った際、同じ美容院に来ていた秋田美大の女性先生が時々遅刻する女性生徒に

「今日は、なぜ遅刻したんですか?」

と尋ねたら

「寝坊しました!」

と遅れたことに対し、遅れてすみませんでしたの一言もなく、しっかり髪はセットされ洋服もオシャレして全く反省の色がみえないと嘆いていた。

生徒に

「寝坊したら、まず授業ファーストで教室に急ぎなさい!」

と注意したら、後日、事務局から

「先生、生徒を叱らないでください。生徒が辞めて減ります」

と注意されたという。

大学も常識にとらわれない接し方が必要なのか。

 

4日朝、アフガニスタン東部のナンガルハル州で「ペシャワール会」アフガニスタン代表の医師中村哲さんが殺害されるという事件があり、遺族が現地へ出向きカブール国際空港でアフガニスタン政府主催の中村さんを見送る式典が催されガニ大統領自ら棺を担ぎ別れを惜しんだが、成田空港では外務副大臣が遺体を出迎えた。

遺族とアフガニスタンへ敬意を表し政府の重要ポストに携わる政治家が出迎えるのが常識ではないか、常識にとらわれないなどとは言わせない。

心よりお悔み申し上げます。


2019年12月12日      小濱 綱之