カフェインの覚醒作用と利尿作用は有名だ。覚醒作用は脳のA2A受容体を遮断して起こる。これは明確な薬理作用。利尿作用には諸説あってはっきりしない。なかにはアドレナリンが出るからだとの説もあるが、信憑性は薄い。PDE阻害作用で腎臓を流れる血液量が増えるから尿も増えるとの説もある。これは一部あたっているようだ。
カフェインのPDE阻害作用は弱いものだが、実はこれに執着する研究者がいる。その理由はバイアグラの薬理作用と同じだから。それでも昼間の喫茶店でコーヒー飲んで、その後どうにもならなくなったという話は聞かない。カフェインを沢山含んだコーヒーといえども、作用は弱いものなのだ。
そこで脱法商売のコーヒー版「インスタントコーヒーにPDE阻害薬を混ぜて売る」というのがあるという。効能はというと「何回でも立つ」ビックリポンの効き目である。加える薬は17種類のどれかだから、どれが当たるかわからない。医薬品として許可されたものもあるが、ほとんどは未承認薬だ。
一方、取り締まり当局の分析技術の難易度はさほど高いものではない。オーストラリアの某大学医学部法医学教室が分析法を開発して論文発表した。つい数日前の話である。
筆者はインスタントコーヒーに興味はないし、貰っても飲まないだろうが、いったい誰が買うのだろうか?きっと薬局で薬を買うのが恥ずかしいと感じる輩かも知れない。だとしたら脱法インスタントコーヒーを買うのは恥ずかしくないのだろうか?第一17種類の中には未承認薬が多いから、毎日飲んだら副作用「実行中の血圧低下」で腹上死するリスクは高い。その方がよっぽど恥ずかしいよ。
2019年8月2日 岡 希太郎