2019/03/30

(NO.1154) 桜が満開というけれど  岡希太郎

今日は3月30日、気象庁によれば東京の桜満開は3月27日だったから、もう3日も過ぎてしまった。なのにこの辺りに住んでいるとピンと来ない。多摩川に近い大田区蒲田の桜は満開どころかたったの5分咲き程度なのだ。あの木もこの木も全部5分咲きなのだ。加えて花冷えの天気のせいか、眠った蕾は開きそうにない。

筆者の最初の観桜会は4月5日だ。場所は皇居に近い市ヶ谷だから、ほとんど葉桜になるはず。我が家の近くなら丁度満開になる頃なのに。で、これも気象庁によれば、その日に満開を迎えるのは京都の桜らしいから、都心の葉桜で古都を偲ぶ観桜会になりそうだ。

桜の開花予想なんて糞食らへだ。奇麗な花は他にも沢山あるではないか。なのにどうして桜ばかりが騒がれるのだろう。東京の街はあっちもこっちも桜の木だらけになってしまった。パッと咲いてパッと散る桜の花が江戸っ子気質に例えられた時代があった。「この桜吹雪に覚えがねえとは言わせねえ」とは北町奉行の台詞だが、あっちもこっちも桜だらけのご時世になったら、何処で見た桜なのか思い出せない。おまけに何処も彼処もゴミだらけだ。

ほんとに嫌な世の中になったもんだ。こんな時に元号が変わるのかと思うと昭和生まれも平成生まれもやり切れない思いだろう。それともこれで目出度く生まれ変わって夢に見たようないい時代がやってくるとでもいうのだろうか。せめて4月1日だけでもそうであって欲しいと思う。

あ~あ、いい時代になんねえかなあ・・・とコーヒー飲みながら心底願う私目です。


2019年3月30日   岡 希太郎