2010/09/28

グァテマラ農園視察ツアー その⑰

農園主、ベンジャミン・ドナド氏の自宅を出発し一路プラン・デル・グアヤボ農園を目指します。農園まではお約束のようにトラックの荷台へ。荷台の上で揺られる事1時間、ようやく農園に到着しました。こうも毎回トラックの荷台に乗ってお尻が痛くなるのであれば、今度は座布団でも持って来ようかと思います。

農園は下の辺りで標高が1,400m。随分高い位置にあります。現在パカマラは高さがどれも150cm程度。これはカットバックを2回行った木だそうです。カットバックは3~4年に1回行う為、根元の部分は12年位経っていても葉や枝の部分は2年、3年物です。どの木もパカマラ特有の大きな葉っぱに茶色い新芽をしています。チェリーの付き具合は順調のようで、ウエウエテナンゴ地方で起きている非常事態宣言もどこ吹く風といった感じです。区分けされているカツアイも順調のようです。パカマラの木とカツアイの木の違いは非常に分かりやすく、パカマラが全体的にモコモコ、ドッシリした感じの枝振りに対し、カツアイは落ち着きの無く四方八方に手を広げているような感じです。

山の中に水脈があるのか、地中から水が染み出してアチコチぬかるんでいます。あまり足場も良くない為、ある程度見て終わりかと思ったら今度は、杖を探せと来ました。プラン・デル・グアヤボ農園の凄さはここからでした。約1,400mの地点から今度は山の中を1番高い所まで行こうというのです。この後、特に何ら説明も無く、ただひたすら山の勾配を登り続けました。御歳60歳のドナド氏がズンズン先に進む為、こちらもついて行かざるをえません。山の中をひたすら歩きに歩き、まず最初にパディージャが脱落。御歳36歳ですが腹回りが太り過ぎです。所々、見晴らしの良い所で休憩しつつ息を整え、さらに先を進みます。高台から見るといかに火山の多い国かよくわかります。中には巨大な火山火口に出来だカルデラ湖を埋め立ててしまった所もあります。

1,550mを過ぎた辺りから急に涼しくなり、1,600mに辿り着いたところでやっと下り始めました。1,550mからの気温の変化は非常に興味深く、来年はもしかすると、小ロットではありますがこの1,550m以上で収穫されたカツアイをスペシャル・ロットとして入れるかも知れません。結構楽しみです。

日本の自家焙煎チームにはプラン・デル・グアヤボ農園の急勾配はかなりハードだったらしく、終わったころには息も絶え絶え、視界は霞む、明日または明後日の筋肉痛間違いなしと言う状況でした。いかに過酷な状況で栽培されているか身に沁みて感じて頂けたと思います。ただここは稀なケースでよくここに農園を開こうと決めたと思います。結果的に良い物が出来ているのでドナド氏に先見の明、センスがあったと言う事でしょう。しかし農園で働いている人には大変です。皆元気ですが…。

ドナド氏の自宅に帰り、彼の新たな一面を発見。絵が趣味とのことです。今描いている絵はイエス・キリストを題材にした物と不況により会社が倒産し今後の自分の人生に思い悩む青年だそうです。こっちの方はセンスありとは言い難いような気がします。ゴンザロはドナド氏にコーヒーの絵を描かせて売ろうと企んでいました。ドナド氏も結構満更でも無い様子でした。