9月2日(火) グリーンウェル・ファームへ。3年ぶりに会ったトムは、似合っていたヒゲがなくなって、腹が前にも増してメタボになってました。
「運動したら?」
「年なんだよ、、、」 と言い訳。
彼の事務所で見かけた品種の系図。なかなか良く出来てます。図にすると分かりやすいですね。グリーンウェルでは、メインのティピカの他に試験的にピンクブルボン、プープルアセンス、パカマラ、K7なども栽培しています。そのほとんどがお土産用の製品になってしまいますが。
さて、このグリーンウェル農園、次の2点に注目です。
(1) プルーニング(枝打ち、カットバック)
コナではプルーニング方法に2つのやり方があります。ひとつは「コナ・スタイル」という1本の木に1年目、2年目、3年目、4年目の枝を残して、毎年古い枝から剪定していく、手間のかかるやり方。もうひとつは「ボーモント・フクナガ方式」という、木の列で1年目、2年目、3年目と分けて列ごとにプルーニングをするやり方。グリーンウェルでは、後者を採用しています。写真でみると分かるように、1年目(小さい木)、2年目(チェリーが収穫できる木)、3年目(チェリーがさらに収穫できる木)が並んでいます。3年目の収穫が終わると、その列はバサっと切ります。それを列ごとに繰り返していきます。「ボーモント・フクナガ」とは、ジョン・ボーモント博士とエドワード・フクナガ博士のふたりが1940 - 1950年代に提唱した方式です。当初コナでは相手にされず、中南米で採用されるようになり、90年代になってコナで見直されるようになったのです。ボーモントは、Beaumont と書きます。ビューモントと発音するのか、t は発音しないでビューモンと発音するのか、まあよく分かりません。現地では何度聞いても「ボマ」としか聞こえませんでした。
(2) グラフティング(接木)
グリーンウェルでは、苗の段階でグラフティング(根元はリベリカ種、上はティピカ種)します。土中線虫に強いリベリカ種を土台(適切な言葉がわかりません)にします。なので、写真のように、たまに根元から葉っぱの大きいリベリカが育って出てくることもあります。ナーサリーでは、写真のように地道に一本一本グラフティングしていきます。
コナには現在5大プロセサーがいます。グリーンウェル、コアプランテーション、キャプテンクック、ホナウナウ、マウンテンサンダーの5社です。トム曰く、コナの1/3はグリーンウェルがプロセスしている、と言ってます。というわけで、自社農園以外に他の小農家からチェリーを買っています。リストを見ると、フクダ、ホシデ、カワカミ、モリモト、オナカという日系農家の名前が見受けられます。