西部山岳州ネビルヤ―渓谷では40年以上前からコーヒー栽培をリーヒ―家が所有する精製工場でスペシャルティーコーヒーに仕上げている。30キロ袋をリクエストしたが、30キロの麻袋在庫がなく、今回は60キロ袋になってしまった。
現農園主のジェームス・リーヒ―は、ネビルヤー渓谷にあるコーヒー農園で生まれ育った。この地域は昔から部族間抗争が絶えず起こっている地域。ジェームスの父ブライアンは、コーヒービジネスを通して、部族間抗争を鎮め、地域に暮らす人々の団結を目指してきた。地域住民の雇用を創出し、収穫したチェリーを仲買人に売らず、自分たちでより高く販売出来るシステムを構築した。リーヒ―家は、コミュニティー活動にも積極的に参加し、女性の地位向上、農業指導、学校教育にも支援している。ネビルヤー農園のスタッフの98%が近隣住民であり、女性をマネージャーに抜擢している数少ない会社でもある。
収穫シーズンにはピッカーを80人を雇用し、チェリーの収穫を行っている。収穫したチェリーは。リーヒ―家が所有するクタ精製工場へ持ち込まれ、パルピングされる。天日乾燥には約3週間かけている。2021年からアフリカンベッドを採用し始め、2023年には全量をアフリカンベッドで乾燥できるよう増設中。
ネビルヤー渓谷は、西部山岳州でも有数のフルーツ生産地であり、質の高いパイナップル、バナナ、パパイヤが採れる良質な土壌地帯である。ネビルヤー農園では、バニラの栽培も行っており、コーヒーのシェードツリーとして利用している。さらに換金作物としてカルダモンや養蜂も行っている。
私がコーヒー業界に足を踏み入れる前の1992年、木材の買付で初めてパプアニューギニアに行った時は、ブーゲンビル島の分離・独立をめぐって内戦が勃発した年だった。1997年には時の政府転覆を狙った軍事クーデターが起こり、全国で戒厳令が発令された。まさにちょうどその日にパプア入りし、何も知らずに町をうろついていた。もう少し遅い時間だったら、暴動に巻き込まれていたかもしれない。CNNで放送されていた暴動が目と鼻の先で起こっていた。小さな強盗は日常茶飯事で、同業他社の駐在員たちは何人も襲われていたものだ。私は運よく痛い目には合っていない。マラリアに罹ったこと、犬に噛まれたことぐらいだろう。仕事の合間にゴルフやスキューバダイビングをやったり、産地への出張はヘリコプターで行ったり、今となってはいい思い出となっている。
パプアニューギニアの部族は、800以上あると言われ、それぞれの部族ごとに言語、習慣、伝統が異なっている。彼らは伝統的に「ワントーク」と呼ばれる少人数の部族に分かれて生活しているため、各部族同士で戦いを行うことがよくあり、いまも至るところで村同士の喧嘩が絶えない。
品名 | ネビルヤー |
生産国 | パプアニューギニア |
地域 | 西部山岳州ネビルヤーバレー |
生産者 | ネビルヤー農園 農園主:ジェームス&リタ・リーヒ― |
クロップ | 2022 |
規格 | A |
欠点規格 | 10/1kg |
スクリーン | スクリーン16アップ |
木の品種 | アルーシャ、ブルボン、ティピカ |
その他 | 標高1350-150メートル、農園面積190ヘクタール(コーヒー90ヘクタール) |
精製方法 | フルウォッシュド |
開花時期 | 2021年10月 |
収穫時期 | 2022年5月-9月 |
船積時期 | 2022年12月 |
保管方法 | 定温倉庫 |
ロットナンバー | 166/46/M08 |