ハイチ南部の組合COOPCABから2021年に続き、今年も入荷。中米のような需給バランスの崩れがなく、ハイチコーヒーに値上がり幅は少ない。
COOPCAB (Coopérative des Planteurs de Café de l’Arrondissement de Belle-Anse or Coffee Growers Cooperative of Belle Anse) - ベレアンセコーヒー生産者組合
[概要] ハイチは、ハイチ革命によって誕生した世界初の黒人による共和制国家。独立以来、現在まで国家分裂、反乱、政治不安などの混乱が続き、さらにハリケーンや大地震などの大規模な自然災害に見舞われ、経済的に極度に疲弊している。コーヒーは、1715年にイエズス会の宣教師によってマルティニーク島からドミニカを経由で持ち込まれた。全土に拡がったコーヒーは、1788年には世界のコーヒー需要の半分で供給するまでに成長した。1804年のハイチ革命後も、コーヒーは輸出換金作物として拡大し、1850年に第一次のピークを迎えた。1949年に第二次ピークを迎え、世界第三位のコーヒー生産量を誇ったが、森林伐採や山林 開拓、他国への 移住、政変や軍事クーデター、さらに相次ぐハリケーンの被害により、コーヒー生産は壊滅的な状態に陥った。近年、欧米のNGO団体の支援のもと、コーヒー産業はようやく復活の兆しが見え出し始めていたが、2021年8月14日に巨大地震が発生し、今後のコーヒー産業の動向を見守るしかない。
[地勢・気候] 「ハイチ」は先住民族の言葉で、「山の多い土地」を意味する通り、島全体が山岳地帯となっている。国土は北海道の3分の1程度の面積。沿岸部にはわずかながら平野や川がある。中央部から東部は、大きく隆起した台地になっている。気候は亜熱帯性。北部山間部は雨が多く、東部は乾燥した気候である。山間部の気温は比較的穏やかなため、コーヒー栽培に適しているが、島がハリケーン・ベルトの真ん中に位置しているため、6月から10月にかけてハリケーンが襲来し、被害を受けやすい。
[生産状況] 15-20万世帯のコーヒー農家がいる。中北部のアルティボニット県から南東部の西県にかけての高地で生産されるコーヒーの品質は高い。ハイチ最高峰ラ・セル山(2680メートル)山麓で収穫されるコーヒーはジャマイカ・ブルーマウンテンに引けを取らないソフトで甘い香味を持つ。もともとコーヒーの持つ品質は高く、精製工程をしっかり管理すれば、素晴らしいコーヒーに仕上がる。
[主要生産地] 主要生産地は、マールブランシュ、サバナゾンビ、バプティスト、ジャクメル、ジェレミー、ティオッテ等がある。収穫期は10月から3月にかけて行なわれる。標高の高い地域は12月から3月。栽培品種は、90%がティピカであるが、ブルボン、サルバドレーノ、ブルーマウンテン、パダン、ムンドノーボ、カツーラ等の品種も僅かにある。精製方法は、南部のウォッシュドが5%であり、ほとんどがナチュラル95%である。
[格付、品質] グレーディングはサイズ別。スクリーン17/19、17/18、15/16、サイズ選別をしないオールビーンズがある。
[流通機構] 5つの生産者組合(FACN、RECOCARNO、COOPCAB、UCOCAB、FECOCAS)と2つの草の根ネットワーク(COOPACVOD、UPAB)があり、米国、デンマーク、フランス、ドイツ、日本へ輸出している。米国元大統領のクリントン基金もハイチコーヒー産業復活に向けて協力している。2010年1月に発生したハイチ地震後のコーヒー輸出はごくわずかである。全生産量の60%が現地消費に回され、10%が正式に輸出される。30%がドミニカへ密輸されている。
| 品名 | モンラセル | 
| 生産国 | ハイチ | 
| 地域 | ティオッテ地区サバナゾンビ | 
| 生産者 | COOPCAB(ベレアンセ地区コーヒー生産者共同組合) | 
| クロップ | 2021/2022 | 
| 規格 | |
| 欠点規格 | |
| スクリーン | スクリーン17/18 | 
| 木の品種 | ティピカ | 
| その他 | 標高800-1000メートル、石灰質土壌、100%天日乾燥 | 
| 精製方法 | フルウォッシュド | 
| 開花時期 | 2021年1-3月 | 
| 収穫時期 | 2021年12月-2022年3月 | 
| 船積時期 | 2022年6月 | 
| 保管方法 | 定温倉庫 | 
| ロットナンバー | 12/15/002 |