2020年2月22日から23日にかけて、カナリア諸島はサハラ砂漠から運ばれてくる大規模な砂嵐に見舞われ、空港は閉鎖するなど、農作物にもひどい被害をもたらした。カナリアコーヒーは当分来ないだろうと思っていたら、グランカナリア島のコーヒー農園は無事だったようで、40キロが空輸されてきた。
イベリア半島から1840キロ離れた北大西洋に浮かぶスペイン領カナリア諸島。カナリア諸島は、七つの島(グラン・カナリア、テネリフェ、ランサローテ、ラ・パルマ、ラ・ゴメラ、エル・イエロ、フェルテベントゥラ)で構成されている。スペインの避暑地として知られ、年間1000万人以上の観光客が訪れる風光明媚な島である。
2020年2月22日から23日にかけて、カナリア諸島はかつてない大規模な砂嵐に見舞われた。アフリカのサハラ砂漠から「カリマ」と呼ばれる高温の東風が吹き、大量の砂が砂嵐として運ばれたのである。空港は閉鎖、農作物は大打撃を受けた。
毎年空輸してくれるテネリフェ島のサンスーシ農園は、壊滅的なダメージを受け、当分コーヒーは送れないそうだ。しばらくカナリアコーヒーの入手は困難かと思っていたら、グランカナリア島のグリモネス農園は無事だったようだ。地理的要因で砂嵐の被害を免れたのだろう。
今回、始めての買付となったグリモネス農園は、これまで地元の観光客相手にコーヒーを販売していたが、コロナの影響で観光客が激減したため、生豆で入手することが出来た。
グランカナリア島のアガエテ地区でコーヒーが栽培され始めたのは1788年。キューバからティピカが持ち込まれた。以来、ヨーロッパで唯一のコーヒー栽培地となっている。栽培地の北緯28度は、日本だと奄美・徳之島・小笠原諸島にあたる。コーヒー以外に、マンゴ・パパイヤ・アボガド・オレンジ・グレープフルーツなどのトロピカルフルーツを栽培している。
グリモネス農園は、フアン・ソーサ・ガルシアと妻のホセファ・アラモ・ソーサが1975年に創業した。2004年に息子のフアン・ソーサ・アラモが農園を引き継ぎ、現在二代目となっている。それまで彼は小さなスーパーマーケットを経営していたが、売却して余生を楽しむことにしたものの、数か月で退屈なセカンドライフに飽きてしまい、父親の農園を引き継ぎ、コーヒー栽培を始めたのである。現在、ふたりの娘たちもコーヒー栽培を手伝いはじめ、三世代目に引き継がれ始めている。
農園名となっている「ロス・グリモネス」の由来は、1400年代後半、現在のベルギーにあたる地から富豪グリモン家がグランカナリア島に渡来し、コミュニティーを作り上げた場所。その後、数百年に亘り、グリモン家が土地を所有し、現在は地名として残っている。
| 品名 | ロス・グリモネス | 
| 生産国 | カナリア諸島 | 
| 地域 | スペイン領カナリア諸島州、グランカナリア島、アガエテ、ロスパシートス | 
| 生産者 | ロス・グリモネス農園 農園主:フアン・ソーサ・アラモ | 
| クロップ | 2019/2020 | 
| 規格 | 明確な規格なし | 
| 欠点規格 | 公式な規格なし | 
| スクリーン | スクリーン14アップ | 
| 木の品種 | ティピカ | 
| その他 | 標高245メートル、年間降雨量220ミリ、農園創業1975年 | 
| 精製方法 | ナチュラル | 
| 開花時期 | 2019年7月-8月 | 
| 収穫時期 | 2020年5月-6月 | 
| 船積時期 | 2021年3月22日空輸 | 
| 保管方法 | 事務所にて保管 | 
| ロットナンバー | なし |