前回ドンジュリアンのパカマラを買ったのが2013年だから、7年ぶりの買付となる。他のパカマラとは違う長ネギの香りが独特。このユニークな特徴が人気を呼び、なかなか買えなくなってしまった。値段も買付当時に比べ2−3倍に跳ね上がってしまった。今回のロットはナチュラルだが、長ネギフレーバーは健在。
今回買い付けたドンジュリアンのロットは、「エスコンディーダ(秘密、門外不出)」ブロックからの豆。箱には、FINCA LA ESCONDIDA BY HACIENDA DON JULIAN と明記されている。
ドンジュリアン農園は、1998年、米国人リチャード・バーネスキスと韓国系の妻ヒーキュン・カンによって始まった。1998年の雨の日、視察に行ったパナマのボケテ地区にある農園の鬱蒼とした風景に一目惚れしてしまい、20分で即買いしたという。今買わないと誰かが買ってしまい、木を切ってしまうだろうと思ったようだ。米国で長年にわたり自然保護活動に従事してきた二人にとって、それは耐えられないことだったのだろう。
ところが、農園を手に入れたものの、コーヒー栽培には問題があった。農園の標高が1600〜2000メートルという位置にあるためだ。2年にわたりコーヒー栽培に挑戦したが、なかなか上手くいかない。つてを頼ってようやく辿り付いたのが国連が運営するコーヒー研究所だった。そこから紹介されたのが、高地でも栽培可能なパカマラ亜種だった。なるほど、だから他のパカマラとは違った味がするのか。
2004年にリチャードが亡くなってから、農園運営は妻のヒーキュンが引き継いでいる。当社が買い始めたのは、リチャードが亡くなったころだっただろうか。ちょうどオリジナルのパカマラが収穫し始めた年だったのだろう。ドンジュリンのパカマラは全く別モノだったのを覚えている。その後、パナマオークションが始まり、エスメラルダ、カルメン、ドンジュリアンは常に上位にランキングしたものだ。その後の受賞歴は見事なもの。
-2013 BOP: 1st Place in Pacamara Category
-2014 BOP: 1st and 2nd Place in Pacamara Category
-2015 BOP: 1st Place in Pacamara Category
-2016 BOP: 3rd Place in Pacamara Category
-2017: 1st Place in Pacamara Category
現在、ドンジュリアンでは、60000本のパカマラ、15000本のゲイシャ、10000本のゲイシャを栽培している。いずれゲイシャとティピカも買える日がくるだろう。
品名 | ドンジュリアン エスコンディーダ パカマラ ナチュラル |
生産国 | パナマ |
地域 | チリキ県ボケテ渓谷オルケタ地区 |
生産者 | ドンジュリアン農園 ヒーキュン・カン |
クロップ | 2019/2020 |
規格 | SHB、EP |
欠点規格 | 0-6/300g |
スクリーン | スクリーン16アップ |
木の品種 | パカマラ |
その他 | 標高1480–1680メートル、年間降水量2800–3000ミリ、農園面積50ヘクタール、サンドライ、シェードツリー(インガ、バナナ) |
精製方法 | ナチュラル |
開花時期 | 2019年3月-4月 |
収穫時期 | 2019年11月-2020年5月 |
船積時期 | 2020年12月 |
保管方法 | 定温倉庫 |
ロットナンバー | 29/182/20 30 |