2019/08/26

(NO.1179月) 久しぶりに患者の気持ち   岡 希太郎

8年ぶりに嫌~~な夏だった。8年前の春に前立腺癌が発覚して、大地震と大津波と大爆発のTVを悶々と見ながら年末までひたすら待った。未だ60歳代で今より元気だったから、「針6本刺しますよ、無麻酔ですよ」にもビビらず対応してきた。病気は元気なうちに経験した方が身体に良い。

ところがこの夏、年1回の治療後検診で腹部超音波検査を受けた。指摘されたのは癌とは無関係の「腹部大動脈解離の疑い」だった。画像を見た主治医曰く「前の絵はどうだったかな・・・(2016年のCT画像を出して)・・・ああ前からあるんだ」。続いて曰く「心配なら血管外科へ行ってみること」。筆者問う「この病院(癌研有明)には血管外科ないですよね?」。主治医「ないよ」。筆者「どうしますか?」。主治医「次CT測るかな」。筆者「来週ですか?」。主治医「来年」。筆者「(絶句)」。

3年前のCTに映っていたのにそのときは指摘されず、何も起こらずに今回指摘され、主治医は「裕次郎と同じだけど、検査は来年」・・・これって言われた患者は焦らずに居られますか?!で、その場は一旦退散し、知人の紹介で横市病院血管内科を受診した。その日のうちに造影CTを撮って解離部分を精査・・・という段取りだったのだが、「十二指腸にがんもどき発見!」想定外の通告は希少癌の代表みたいなもので国立がんセンターにも情報は稀薄。消化器の主治医曰く「超音波内視鏡やりましょう」。そして10日待ちとなった。

ここまで約1ヶ月、食欲減退、激しい寝汗、体重減少、気力喪失、頚部リンパ節腫脹・・・これが患者のストレスかと気づいた頃に、超音波内視鏡の日を迎えた。

約40日間の揚句に主治医と相談して決めた今後の対応は、「様子見て12月にCT撮りましょう」。間もなく甲子園も終わって、やや涼しくなって、後期高齢の気持ちの弱さがどうやら底を突いたような気分になった。

ピリオドの向こう側へ行くにはまだちと早いので、もしやいい頃合いで患者の気持ちを分からせてもらった・・・そういう夏だったのかも知れません。

 

2019年8月26日  岡 希太郎