2018/11/01

(NO.1131) カメラを回し続けろ  Decopachi

カメラを回し続けろ


ヤクルト・スワローズがロサンゼルス・ドジャーズに5連勝したような映画に出会った。しかし、我にかえると、虚構のなかの虚構映像に戦慄し、虚構に笑わされた、ということのようです。

先日、ふいと、映画をみるひまができたが、なにをみたらよいか全く検討がつかない。クマのプーと大人になったクリストファーロビンをみるのも、なんだかなぁ、と思いつつ歩いていて、ぼんやりと頭に浮かんできたのが、「カメラを止めるな!」。

予算約300万円くらいでつくったが、したたかにロングラン中であるとのイメージがある。ポスターも低予算チックで微笑ましい。

ゾンビ映画を作成する風景、そのゾンビ映画、で構成される1時間36分。あまり期待せず、まずは席につく。結構混んでいた。前半は「撮られた」ゾンビ作品。廃虚で撮影がすすむという設定のようだ。あるシーンが、42カット撮っても監督からダメ出しとなる。疲れた役者さんなど3人くらいがひと息入れるが、建物の外がだんだんとさわがしくなり、撮影クルーが次々とゾンビになっていく。主人公の女性は逃げて、逃げて、逃げる。時々マッドな監督が出てきて、ゾンビがいるそばなのに、「いいぞ、その表情だ!」と叫びながらカメラを持って追いかけてくる。

じつは、わたしは、ゾンビ映画に非常に弱いのだ。ゾンビ映画を二十年以上回避して生きてきた。うわぁ、怖いではないか!。前半が終わったところで泣きそうになり、帰ろうとしたが、血管が硬直し、足腰が立たない。スクリーンでは、エンディングが淡々ととりあえず流れていく。

その後、映画は突然コメディタッチになる。どいやら救われたようだ。脚本家に拍手するしかない。設定は、生放送で「マッドな監督がゾンビ映画をワンカットで撮影していく」という作品を、ゾンビ専門チャンネルに1時間ほど放送するというもの。一カ月ほど準備して撮影当日になる。しかしながら、廃虚における撮影開始直前、最中に、現場でどんどんハプニングがおこる。しかし、冷静に考えると、それも「撮られた」映像、なのである。

とにかく一度みてほしい。みてもいいと思う。過去、予算が膨らんで映画会社を経営危機に追い込んだ「クレオパトラ」(1963年、4時間8分)、費用の回収が超長期に及んだ「2001年宇宙の旅」(1963年、2時間41分)、巨費を投じた数々の特撮映画、などを嘲笑うかのような映画である。映画界の内外に脚本の重要性を再認識させたのではないだろうか。一方で、しかしながら、わたしはというと、脚本や人生設計なしに、相変わらず生きている。行き当たりばったり過ぎる。あにはからんや、この映画同様にハプニング続きである。とりあえず、人生を回し続けよう⁉︎ 中編映画か長編映画のどちらになるかはわからない。インターミッションがあるかもわかない。



2018年11月1日 Decopachi