2018/02/13

(NO.1088) ラーンチ!  Decoppachi

最近、わたしのランチは、コーヒー系にするときは、毎回選択に悩まされる。一件は、サードウェーブ系のコーヒー屋さんで、もう一件は、上場企業系のコーヒーショップ。前者の方がコーヒーは美味しく感じられるし、好きなジャズが、相撲の張り手のように、がんがんかかっている。食べるものは、どこかのパン屋さんから調達してきたもの。わたしの通っていた学校には給食がなく、お弁当をつくってもらえないときは、学校の売店で、近くの地場のパン業者さんから卸してきたパンやサンドイッチを買って、しのいでいた記憶がある。なんだか、やるせない日の小学生状態をほんのり彷彿させる。

パンにはいくつか種類がある。まずはコロッケサンド。勝手番付では、関取だー!とひそかに思っている。そして、わたしにとっての大関は、魚の白身フライのサンドイッチ。結構美味しいのだけれど、もちろん温かくないため、なんだか、8ミリセンチほどさみしい。そして、意外なことに、規格外れの量のイチゴジャムを搭載したジャムパンがドーンとあるが、これは小結とよんでいる。おおらかな、ジャムの多さは、おおらかに、わたしを幸福にしてくれる。わたしの人生は単純なのである。ジャムの量の多さは、超重量級なんだけど、甘さゆえに、とりこぼしをときどきしてしまう力士を想像させる。

後者の上場企業系の店は、温かい各種サンドイッチらしきものがわんさかあり、ありがたいのだが、コーヒーの味は前者にややおとるのではないかとすこーしだけ思ってしまう。前にも書いたが、店内は、潜水艦内みたいな、急峻な螺旋階段と、浅草の大衆酒場(行ったことたいけど)みたいな狭い空間に、わさわさひとがおしこめられている。仮に、ちかに相撲部屋があっても、力士は間違っても来ないであろう。しかしながら、この店は周辺の働き人を集める秘密の磁石を持っているとしか思えない。

会社のひとは、ランチとして、コスパが悪いとか、それでは栄養が足りないであろう、といろいろ言ってくる。しかし、昼くらいは、ひとりになりたいときもある。コーヒーの香りに会いたいのだからしかたがない。会いたいといえば、会いたいのだから仕方がないのだ。ひる行灯みたいな人間なのだが、ひるくらい、一段ともうすこしボーっとしないとならないタチのようだ。先祖は三年寝太郎かもしれない。祖父は結構働き者だったようだが、、、。なにか新しいことをlaunchローンチしないといけないなと思いつつも、狭い空間で、のたりのたりしたり、あたふたしている。家族からは、連日徹夜の作業中に「5分寝ます」と言ったきり、その後10年間眠り続けた、彫刻家モリエールダンロの弟子、ニコラ・トクシンだと言われている。季節は、立春が過ぎ、もうすぐ雨水である。

 

2018年2月12日 Decoppachi