2018/01/30

(NO.1086) 強くなければ!  小濱綱之

一昨日、大相撲初場所が千秋楽を迎え、終わってみると平幕栃ノ心の初優勝で幕を閉じた。

場所前は相撲内容に安定感のある横綱白鵬が連続優勝する期待が大きかったが、場所前の稽古総見で横綱審議委員会のメンバーに張り手・カチアゲについて横綱がすることじゃないからと指摘を受け封印した場所だった。

以前怪我した足の指の再発もあったのだろうが、初日から相撲の取り口がぎこちなくリズムに乗れない鈍い動きだった。また張り手・カチアゲができずいつもの鋭さがなく中途半端な動作に見ている白鵬ファンは不安を感じたに違いない。

大横綱の白鵬も15日間の短期決戦に序盤で2敗ではとても本場所の土俵に続けてあがることができず休場せざるを得なかった。

半年前までは私も今の横綱審議委員会同様、横綱なのになぜ張り手・カチアゲという見苦しい技を繰り出すのだろうと批判的だったが、ルール違反でなければ横綱だろうが平幕だろうが勝負の世界に奇麗ごとは無用と考えを新たにした矢先だった。

さて、10日目までは横綱鶴竜の独走優勝に思えたが、11日目から4連敗は想定外だった。栃ノ心の出身国ジョージアについて、私は2年前までアメリカのジョージア州出身とばかり思っていた。恥ずかしながら私はグルジアがジョージアに呼び名を変えたことを知らなかった。日本ではロシア語由来のグルジアを3年前から英語由来のジョージアと呼ぶようになったが、どちらも英語ではGeorgiaと同じスペルである。

10年も前になるが、知人が東京都渋谷駅近くのロシア系ロゴスキーで働いていた当時、食事に利用し赤ワインを出してもらったらグルジア産ワインが出てきて初めて飲むグルジア産ワインの適度な甘さとコクのある円やかさに思わずグラスが進んだ。

店を出るとき知人にグルジア産ワインの旨さを称賛したら一週間後、自宅に同じ赤ワインが一ダース届き驚いた。後日、ワインに見合うお返しをし嬉しかった反面気をつかう結果になり煩わしさを覚えた記憶がある。


秋田ではグルジア産ワインを販売している店がなく、昨年3月モスクワへ旅行した際、スーパーでグルジア産ワインを2本購入し帰国した経緯があるが、わざわざ海外で重いワインを購入しなくても東京にいくらでも売ってるだろうとお叱りを受けそうだ。

優勝力士の栃ノ心に話題を戻すと栃ノ心は2006年春場所初土俵を踏み、2年足らずで十両・幕内に昇進したが、5年前に右膝の大けがで幕下まで転落、再度十両・幕内へと這い上がって来た努力化である。(他の力士も栃ノ心に負けず劣らず努力してるでしょう)

栃ノ心は192cm、177kgと恵まれた体格と左右の握力90キロ前後という怪力は同じ相撲力士が羨むほどである。今場所の力強い相撲内容を見るかぎり来場所も期待が持てそうな30歳力士であり、まだまだ頑張って相撲ファンを喜ばせていただきたい。

来月は韓国で平昌冬季オリンピックが開催、強い選手がメダルを取る熾烈な戦いが始まる。日本選手の数多くのメダル獲得を期待し、ファイティン・イルボン(頑張れ日本)と韓国語で応援したいが、私は韓国語も話せない努力が嫌いな凡人だった。


2018年1月30日      小濱 綱之