2012/05/03

(NO.496) グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン大使にお会いして - 牛津ヒルダ

GUAM(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドヴァ)政府の招待で、今週末から2週間ほどの旅行を予定している。それに先立ち、目黒のアゼルバイジャン大使館で、グルジア、ウクライナ(モルドヴァ大使を兼轄)、アゼルバイジャン大使とお会いした。

アゼルバイジャン大使は、30代前半だろうか、痩せて、気さくで、一見市役所の主任風。大使とお会いしたときの外交プロトコルに従い、”Good Afternoon, Your Excellency”と膝を折ってご挨拶する。すると、なりたての教師が「先生」と言われて「え、自分のこと?」と照れる様な感じでちょっと可愛らしかった。でも終始会見をリードする立場であったことを考えると若くても切れ者なのだろう。

ウクライナ大使は、東京オリンピックで日本の女子バレーの大松監督を太らせた風貌で(といっても大松監督を知っている人ももはや少ないか)、恰幅がよく、もっとも大使風。しゃべりだしたら止まらない親戚の伯父という感じで、いかにグルジアのワインや水がおいしいか(グルジアのことはグルジア大使に任せればいいかと思うが)、ウクライナの景色がきれいかをしゃべった後も、「現地でウオッカを飲みすぎてはいけません。我々の国ではみんなあいさつ代わりによく飲むけれどね」とか、「まだまだ我々の国では発展途上で、スムーズにいかないこともありますが、どうかそれは忍耐を持ってくださいね」などと、ご自分はストレートでウイスキーをぐんぐん飲みながら、語り続ける。

グルジア大使は、一番寡黙で、プーチンを若くしてもう少しハンサムにした感じで、ちょっと神秘的な40代のイケメン。先日、ジョン・ル・カレ原作の’70年代の英ソのスパイ活動を描いた『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』を映画化した『裏切りのサーカス』を観たせいか、旧ソ連時代のエリートを彷彿させる。

学生時代に読んだ早川書房のジョン・ル・カレの小説は、『寒い国から帰ってきたスパイ』等、西洋文化を礼賛する当時の日本社会にあって、西洋=民主主義=善、対するソ連=社会主義=悪という考えに、「ん?」と私に思わせるきっかけとなってくれた気がする。米原万里のエッセイとともに愛読書だった。

それでも、あまりなじみのなかったこれらの四カ国。それがさっそく今朝のニュースで、サッカーの欧州選手権をポーランドと共催するウクライナのヤヌコビッチ政権による政敵チモシェンコ前首相への「弾圧」に対する抗議から、開催時期や開催国の変更がささやき始められたという記事が目にとまった。

今はやっと、この四カ国の地理関係が理解できた程度である。でも、できるだけ、自分の眼でこれらの国の長い歴史と今の発展を見てきたいと思っている。


2012年5月2日 牛津ヒルダ