昨日、夕方までの雨が雪に変わったかと思うと、夜には一気に積もった。写真はマンションの窓から見た今日の夕方の品川の雪景色である。都内はスリップ事故が相次ぎ、高速道路でのチェーン規制などはあったものの、公共交通機関の乱れはあまりない。もちろんサラリーマンは通常通り出勤している。
イギリスに住んでいるときも、一冬に一度か二度は雪が積もることがあった。すると、BBC放送は、「この冬一番」ではなく、たいてい、10年か20年に一度の大雪といい(毎年同じことを言っている)、高速道路も公共交通機関もすべて麻痺する。汽車だけでなく、雪に関係ないはずのロンドンの地下鉄も止まる。これは地下鉄の運転手が車で通っているので、通勤できないからという理由からである。
レストランやスーパーマーケットは早々と店じまいをして、みんな3時過ぎにはそろって帰宅してしまう。それでなにをするのかといえば、サッカー(イギリス人はサッカーと言わずにフットボールというが)やラグビーをテレビ観戦する。これらの試合は生中継である。さすがにプロの選手たちは悪天候でも試合をしている。サッカーができるぐらいの天候なら、市民が帰宅を急ぐほどの緊急性はないと思うのだが、みな悲壮感というより喜々として家路につく。そして、友達と誘い合ってパブや自宅で「寒いなあ」とか「10年に一度の雪らしい」といいながら、ビールやワインを飲んで、テレビで自分のひいきのチームを応援する。
夏は夏で、やはりシーズンに一度か二度、お昼間の気温が夜になっても下がらず熱帯夜となる日がある。イギリスのたいていの家にはクーラーがなく、石やレンガで出来ているので室内は熱がこもって耐えられないほど暑くなる。BBC放送は冬と同様、近年珍しい(と、これも毎年そう言っている)天候の異常を告げる。市民は、パブの屋外席や自宅の庭で、暑いなあといいながらぬるいビールを飲みつつ、時々室内に入って、フットボールやラグビーに加えて、クリケットや自転車競技など各々好みのテレビのスポーツ放送の試合運びやその結果を見に入る。そして夜になるとやっと涼しくなった室内で改めて録画を観戦する。
今朝の衛生放送で、BBCのスポーツニュースのトピックは二つ。全豪オープンテニスとクリケットで、特にクリケットのオーストラリアとインドの対戦を延々と特集していた。クリケットは野球に似たゲームだが、一番の違いはその試合時間の長さである。昔は3日間ぐらいかけて楽しんでいたらしい。現代ではさすがに国際試合はワンデーオープンといい、1日で終わる。それでも、ティータイムやランチを挟み、最低6時間はかかる。
日本に住んでいると、宅急便受け取りの時間指定や、2-3分ごとに運行しているJR山手線、数分遅れても放送してくれる新幹線の到着時刻など、その便利さに慣れて、それがなにかの事情でトラブルがあるとイライラしてしまう。しかし、たまにイギリスのあのいい加減さとのんびりさを思いだし、人生どっちが幸せなのかと考えてしまうのである。
平成24年1月24日 牛津ヒルダ