ある高齢者の会話から、
1.先日、85歳の高齢者が肺炎予防接種を受けに病院へ行き、予防注射が終わると同時に、大きな声で看護師に
「肺炎予防接種はインフルエンザ予防が効いている4ヶ月くらいの効力期間ですか?」、
「いやー、肺炎予防接種は5年間有効ですよ」
との返事に老人は
「5年というと90歳までー」、
老人はもう何も言えず、恥ずかしいのをこらえ、下を向いてそそくさと出てきたという。
(現存の85歳で既に5歳も男性平均寿命を過ぎているのに、まだ5年も生きる気かと、周囲に思われるのがいやで、その場にいるのがつらかったらしい)
2.昨春、85歳の高齢者が家族と神戸へ旅行した際、神戸に住んでる姪に会いいろいろお世話になったため、旅行から帰った来た後、一緒に行った娘が父の名前で姪に礼状を出した。 そして昨年末、親戚の結婚式が東京であり、その姪と再会したら
「おじさん、その節はわざわざ礼状いただきありがとうございました、しかし、達筆ですねー」
と言われ、
「いやいやー、こちらこそ大変世話になったー」、
実は娘が書いたのだと正直に言えなかったという。
(85歳にもなって、達筆に書けるわけがないでしょうと言いたかったらしい)
3.年とともに物忘れがひどくなるのは、残念ながら世間一般的である。
85歳と80歳の夫婦の会話、
妻 「大河ドラマ“平清盛”の冊子どこへ置いたー?、とうさん」
夫 「うん、向うの書斎にでもあるんじゃない」
妻 「ほんとにー?、この前、車の中で見てて、とりあえず車に置いとくって言ってたじゃないのー」
夫 「そんなことはない、なんで車に置くんだー!」
妻 「いつもそんなこと言って置いたところ忘れてるじゃないのー」
夫 「そんなことはない」
(妻がすすすーと車へ向かい、戻って来た)
妻 「とうさん、ほら車の中にあったじゃないのー」
夫 「あーあ、そうかい、車に置きっぱなしだったのかー、すまないなー」
妻 「とうさん、忘れっぽくなってるから気を付けてよー」
多くの高齢者に見られる傾向は、プライドと謙虚な態度の繰り返しである。
ある時は謙虚に振る舞い、ある時には傲慢ともとれるほど一歩も譲らない誇り高き態度。高齢者は高齢者なりに周囲に迷惑をかけないよう精いっぱい生き抜こうと努力しているのだが、無意識に態度にあらわれてしまうのが高齢者の弱点である。
2012年1月24日 小濱 綱之