2012/01/19

(NO.404) ソ連邦崩壊と原発②

ソ連解体後、CISが誕生したがすぐに形骸化し長続きはしなかった。それが「ユーラシア連合」を創設しようという動きになろうとは。ソ連邦の歴史をもう一度おさらいしようと思っている。

かつてソ連体制を「ウソで固められたピラミッド」とソルジェニーツィンは喝破した。この論法でいくと、ソ連からウソがなくなったので崩壊したことになる。今のロシアはどうなのか? どうなっていくのだろうか?

ソ連邦の崩壊の原因にはいろいろあるが、アメリカのシナリオにはめられたアフガニスタン侵攻による経済疲弊と並びチェルノブイリ原発事故は大きかった。ソ連建国の父・レーニンのスローガンにこんなものがある。「共産主義はソビエト政権プラス全国電化である」というもの。それほど電力は国家の発展・維持に欠かせない大事なものだった。

だが、その原動力になるはずの原発のもたらした事故被害は、国家の主導するシステムが機能しなかったことを露呈し、国民の信頼を棄損した。国家を崩壊させるほどの一大事なのだ、原発事故は……。

昨年末、福島原発事故調査・検証委員会の中間報告が提出された。この報告では誰に責任があるかを追及することを目的とせず、なぜかような事態を招いたのかに主眼が置かれており、数十年先の検証にも耐え得る報告書であることに留意したという。

関係者への聞き取り調査によって、かなりシビアな事実が明らかにされたのだが、にも関わらず、「お騒がせ男」田母神・元航空幕僚長の「放射線は人体に悪影響を及ぼさない云々」等、一連の原発に関する彼の発言に驚きは隠せない。

ヒロシマ・ナガサキやチェルノブイリからいったい何を学んだのだろうか。原発については、放射線が人体に及ぼす影響の甚大さは当然であるが、高レベル放射性廃棄物の最終処分が明確ではないことを思うと、今の日本は原発の在り方を協議する段階よりも既に諦める時期を迎えていると考える。

次なる原発事故が起これば、国際的な信用を失うばかりでなく、日本列島が消えてしまう可能性もあることに対して、原発存置派や推進派はどう責任をとることができるのか。もう想定外という言い訳は通用しない。

前述した委員会の会長で「失敗学」の権威・畑村洋太郎氏はこう語った。「失敗を繰り返す人は想定内と想定外の間に頭の中で壁を作る。そして『外』に対しては思考停止状態に陥っている」。同感である。


この項続く。

 

平成24年1月19日   津々井 敬